冷たい魅力
8冊目の『小川洋子』
- 作者: 小川洋子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/08/10
- メディア: 文庫
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それにやられてます、完全に。
今回のお話も記憶をどんどん消滅させられて、ついには自分を失くしてしまいます。それでもお互いギスギスすることなく、みんなで協力しあって生活し、失った物など最初から何もなかったかのように・・・・。
記憶なんてなくても平気な気分にさせられます。
嫌な思い出だけ失くして、楽しい事だけを覚えていられるのがいいのだろうけど、この本にはどっちかしかない。記憶の残せる人は「忘れちゃダメ」記憶の残せない人は「記憶ってそんなに大切?」で交わる事ができない。
私なら消滅していく方を選ぶ。
淡々と進む物語に引き込まれて、またもスピード読破。
*あら、いつの間にか秋の気配・・・・「虫の声」が聞こえてきます。