春の嵐が通過中
三浦しをんさんの文庫があったんで読みました。
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/02/28
- メディア: 文庫
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若気の至り、背伸び、世間を冷めた目で見て語る、あ〜、初々しいくてかわいい。どの話もはっきりした結論じみた終わりがない。高校生の頃の不安定な心を残したままの終わり方になっていて、カトリック系の学校だけに、ところどころに『ノアの箱舟』『パンドラの箱』なんて言葉が効果的に使われてる。なかでも『パンドラの箱』についての翠(3人の内の1人)の解釈が気に入っている。
パンドラが開けてはいけない箱を開け、あらゆる災厄が世の中に広がり、慌てて蓋を閉め、その中に残ったのが『希望』、そして災厄に満ちてしまった世界で、人間には希望だけが残された、って話。
それをこの子は、
神様はいじわるだから、箱の中にいっぱい悪いものをつめてパンドラにあげた。その中のいちばん手に負えない災厄が、人間には残されてしまった、という話じゃないかといつも思うのよ
妙に納得してみたり。